優勝へ向かってシュート! 地元の英雄・柏レイソル

kashiwa_column_reysol1.jpg

柏のまちを歩くと、あちこちに鮮やかな黄色と黒の旗がなびいているのを目にします。そう、これは我らが柏市をホームタウンとするJリーグ所属のプロサッカーチーム「柏レイソル」の応援旗。柏のシンボルであり誇りでもあるチームを、地元住民が市をあげて応援しているのです。

柏レイソルが誕生したのは、平成4年のこと。チーム名は、スペイン語で“王”を意味する「REY」と、“太陽”を意味する「SOL」を組み合わせたものから来ています。

前身の「日立製作所サッカー部」が昭和15(1940)年に日立本社サッカー部として創部されたところから数えると、ゆうに60余年の歴史を持つ、老舗のクラブといえるでしょう。ホームスタジアムは、収容人員15,900人の日立柏サッカー場。スタジアムの柵には、優勝への並々ならぬ期待が込められた地元企業からの応援プレートがどこまでも並んでいます。

kashiwa_column_reysol8.jpg

kashiwa_column_reysol5.jpg

平成7年にJリーグ昇格して以来、柏レイソルがJ1からJ2に陥落したのは1度きり。これ以外は常にJ1で活躍している、地力のあるチームです。しかも、陥落した翌年には復帰しているから見事なものです。
平成11年にはナビスコカップで初優勝を果たし、悲願のタイトルを獲得しました。

kashiwa_column_reysol12.jpg

柏レイソルが市民たちの熱い応援を受ける理由の1つに、地域に開かれたチームであり続けようとする姿勢があります。試合の日時は看板で大きく告知し、市民たちにダイレクトに応援を募っています。また、試合だけでなく、練習も原則として一般公開しているところも嬉しいところ。いつもはテレビの画面やスタジアムの観客席で眺めている選手たちの動きを親近感を持って見られる点が子どもたちに特に好評で、見学をきっかけに「将来はプロのサッカー選手になりたい」との想いを強くする男の子も少なくないのだとか。

kashiwa_column_reysol2.jpg 

kashiwa_column_reysol3.jpg

こうした柏レイソルに感銘を受け、柏市民たちの応援はますます強くなっています。「レイソル後援会・ボランティア部会」などは、スタッフおよそ130名がサポートキッズの補助やボールボーイ、試合終了後のスタジアム清掃などを行い、チームを陰で支えています。市内の一般店舗でも、柏レイソルを応援するショップはたくさん。いろいろな案内状を置き、地元チームへの熱い応援を呼びかけています。

kashiwa_column_reysol10.jpg

行政の施設に属する備品の数々にも、柏レイソルのマスコットキャラクター「レイくん」がお目見え。柏市の広告塔として、大いにイメージアップの役割を果たしています。

kashiwa_column_reysol7.jpg

平成14年からは、柏の葉公園総合競技場でも公式試合を開催。Jリーグ加入時にはこちらのスタジアムに本拠地を移すはずでしたが、設計的にグラウンドが見づらいなどの不満の声が上がり、その計画は一時休止中。
現在では浦和レッズ、ジュビロ磐田、鹿島アントラーズなどの人気チームとの対戦が年に数回組まれ、熱狂的なファンで賑わっています。

kashiwa_column_reysol14.jpg

平成19年9月下旬の順位は5位。今後少しでも順位を上げることが、多くの柏市民の切なる願いとなっています。
kashiwa_column_reysol9.jpg

柏市民の憩いのスポット『手賀沼』

kashiwa_column_teganuma6.jpg

柏市と我孫子市、印西市、白井市の間に長細くまたがる「手賀沼」は、流域面積約148平方キロメートルの大きな池沼です。大堀川から流れ込んでくる手賀沼の水は、手賀大橋の下をくぐり、手賀川となり、やがて日本一の流域面積を誇る利根川と合流します。いにしえよりこのあたりの生活とは切っても切れない重要な水辺であり、常に人々の暮らしのそばにありました。

kashiwa_column_teganuma18.jpg

江戸期の柏は手賀沼の岸辺、今の呼塚地区あたりが最も繁栄していたようです。その通称“河岸場”(かしば)が変化したことから“かしわ”と呼ばれるようになったという話が残っています。
この周辺にカシワの木が多かったからという説もありますが、手賀沼が人々に親しまれていたことを示すエピソードとして聞くと大いにうなずける話です。

かつてはウナギなどの漁業も行われていた手賀沼。高度成長期にさしかかり、周辺が都市化してくると、工場排水や家庭排水が注ぎこんでくるようになってしまいました。汚れた水面はアオコ(水を濁らせる小さな藻類)に覆われ、長らく日本の池沼の水質ワーストワンにおさまるという不名誉に甘んじるようになったのです。

kashiwa_column_teganuma2.jpg

そうした手賀沼の悪環境と未来を憂えた行政や住民たちは、かつての美しさを取り戻すためのプロジェクトを敢行するために立ち上がりました。
手賀沼の半分を抱える柏市も、周辺の自治体とともに「手賀沼を生かしたまちづくり推進協議会」を発足。「環境・自然資源」「経済・社会資源」「歴史・文化資源」として活用するべく、岸辺を整備し、多くの人々に親しまれる水辺づくりを進めていきました。

kashiwa_column_teganuma1.jpg

kashiwa_column_teganuma13.jpg

その甲斐あって、手賀沼は徐々にかつての美しさを取り戻し出しました。水を押し出すような流れを作る北千葉導水路の完成もそれに一役買っているでしょう。
手賀沼の歴史やその変遷などについては、柏ふるさと公園近くの「北千葉導水ビジターセンター」(04-7163-4751、入場無料)で分かりやすく説明されています。

kashiwa_column_teganuma3.jpg

kashiwa_column_teganuma4.jpg

現在の手賀沼は、釣りなどで休日を楽しむ人やランニングやサイクリングで体を鍛える人たちで賑わっています。遊び場や休憩所が随所に点在し、気ままに散策するには最高の水辺空間でしょう。

kashiwa_column_teganuma5.jpg

また、野鳥たちもだんだんと戻ってきています。ヨシ原の水辺にはオカヨシガモをはじめ、たくさんの水鳥が羽を休めています。青い水面に映える白い翼は、まるで1枚の絵画のよう。こうしたのどかな風景をキャンバスに焼き付けるために絵筆を走らせる人の姿もチラホラ見受けられます。

手賀沼のシンボル・手賀大橋のあたりは、自然環境に注意しながら開発された施設が登場、新しい楽しみを添えています。
「道の駅 しょうなん」は、新鮮な野菜の直売所をはじめ、レストランを備えた休憩施設。県道8号脇にあるため、ドライブの疲れを癒やしに立ち寄る人でいっぱいです。道を挟んで向かいには天然温泉の入浴場もオープン。道の駅 しょうなんと合わせ、早くもあたたかなヒーリングスポットとなっています。

kashiwa_column_teganuma14.jpg

kashiwa_column_teganuma15.jpg

今後も人々と野生動物たちのオアシスとしていっそうのクリーン化が期待されている手賀沼。柏およびその周辺における水辺のシンボルとして、いつまでもきれいに保っていきたいものです。

塩梅

kashiwa_anbai_katsu1.jpg
とんかつ屋といえば、男性がどっかり腰を下ろし、どっさり量を食べるイメージがありました。しかし、柏駅西口から徒歩約7分のところにある「塩梅」は、男性客をしのぐ女性客で賑わっているとんかつ屋として有名です。

インテリアは和の民芸調。“和風ダイニング”などともてはやされる、変に新しい匂いのするようなものとはまったく違った、重厚な内装です。
それもそのはず、柱や梁は実際の古民家で使われていたものをオーナーが自ら吟味して選んだもの。テーブルなどは自分で納得の行く材木を磨き上げ、大工に設置程度のことだけをしてもらったというほどの凝りようです。
奥の壁に張られているのは、中国の文芸である漢詩の石碑から拓本を取り、やはりオーナーが彫り上げたもの。見渡すかぎり、“男のこだわり”に満ちた空間と言えるでしょう。

kashiwa_anbai_inside1.jpg

kashiwa_anbai_wall1.jpg

では、なぜ“男性の食べもの”というイメージのあるとんかつが多くの女性を惹きつけているのでしょう? それは、とんかつ自体のクオリティーの高さ、そして、驚くべき付け合わせの数々にあるのです。

柏市の名店散策:塩梅

まずは、とんかつに着目。豚肉のステーキにそのまま衣をつけて揚げたかのような、かなりのボリュームです。箸でつかむと重みが手にずっしりと伝わるところに、塩梅の心意気のようなものが感じ取れます。

切り口から見える肉の断面は、豚肉ではなかなかお目にかかれない薄桃色。新鮮な肉だからこそできる火の通し方であり、ここに塩梅の技と自信が伺えます。「本当によい肉なら、これくらいの色のほうが肉の甘みを存分に楽しめます。これ以上揚げてしまうと白っぽく、パサパサになってしまいます」とはオーナーの弁。たしかに一口食べると肉の甘みがジュワッとあふれだし、なんとも幸せな気分に。

ポン酢やとんかつソースをつけて食べてもよいですが、ヒマラヤ産の岩塩と焼き塩、スパイスを調合した特製塩をつけて食べると、肉自体の旨味を味わえます。希少価値の高いヒマラヤ産の塩は、ほんのり色の乗ったローズピンク。塩自体にも甘みがあり、豚肉の甘みと素晴らしいハーモニーを奏でます。

kashiwa_anbai_salt1.jpg

肉は、これまでの料理人生およそ30年の経験を生かし、全国の産地で厳選されたものからさらによいものをチョイス。本日は最近とみに評判を聞くことの多い、岩手の無菌豚の肉だそうです。
噛んでも繊維質が残らないほど丁寧に筋切りされたとんかつはとても食べやすく、これなら女性の小さな口でも難なく噛み切れるので安心です。ほか、海の幸のフライも大人気。1個単位で注文できるので、とんかつだけでは物足りない豪傑や、少しだけ味を試してみたい人にはもってこいです。

kashiwa_anbai_shrimp1.jpg

そして、もうひとつの人気の理由は、充実した付け合わせ。大きなとんかつに添えられたキャベツは、口の中でモサモサしないように細く細く切られたものが山盛りになっています。そのキャベツには、同じく千切りにされた青じそが見え隠れ。見た目にも美しく味のアクセントにもなっている青じそ入りキャベツは、ほかの店なら「食べにくい」と残してしまう人でもペロリとたいらげてしまいます。

キャベツにかけるドレッシングが、これまたバラエティー豊か。梅じそマヨネーズ、おろし野菜、ごま味噌、トマトバルサミコ、そして備え付けの和風。一口ずつ味を変えながら食べられるのも、女性に支持される所以でしょう。

漬け物は3種、壺に入って出てきます。キムチに切り干し大根、野菜の中華風。量もたっぷりで、おまけにすべて自家製。とんかつだけでも下ごしらえに時間がかかるはずなのに、漬け物まで手作りとは……。

ごはんはふっくら、ツヤツヤのコシヒカリ。白いごはんか青じそごはん、好きなほうを選べます。ちなみに青じそごはんには、1杯につき青じその葉が約30枚分も入っているのだとか。そして、宮内庁御用達の味噌で作られた赤だしの汁物。この日は豆腐にミツバ、ナメコが入っていました。

kashiwa_anbai_gathered1.jpg

なんと、塩梅ではこれらがすべて食べ放題なのです。あれこれといろいろなテイストを味わえて、それを好きなだけ食べられる-。これは、女性が見逃すはずがありません。そして食後には、バニラアイスクリーム・抹茶アイスクリーム・シャーベットがついてきます。
ディナーでは小鉢に揚げ出し豆腐が付いていますが、ランチではこれがモヤシの鉄板炒めに。もろみ醤油味がたまらないこの一品も、やはり食べ放題です。

ランチといえば、子ども連れにはとても嬉しい心づかいのサービスが。なんと、子どもには小さなごはんとアイスクリームが無料でついてきます。あの大きなとんかつと食べ放題の付け合わせを、親子でシェアできるのです。
最近では「子ども連れの入店お断り」という店もありますが、これをはねとばすようなサービスに、もちろんお母さんたちは大感激。いつも女性客で賑わうのには、こうした寛大な受け入れと細かなサービスが光っているからでしょう。

ほかにも、残った揚げ物を折詰にして持ち帰らせてくれるサービスや、駐車券など有料駐車場に停めての来店であることがわかるものを持ってくると1ポイントがもらえ、10ポイントたまると2,000円分の食事券と交換してくれるなど、至れり尽くせりのサービスが満載。
1時間待ちになってでも2時間待ちになってでも食べたい、と列を成す客は、おいしいとんかつもさることながら、オーナーの心遣いと心意気に心酔してやってくるのかもしれません。

素晴らしいサービスに満足しきって箸を置き、席を立とうと思った瞬間「あたたかいおしぼりと青じそ茶です」と、ラストのサービスが。焼肉屋ならまだしも、とんかつ屋でこのようなサービスに出合ったのは初めて。最後の最後まで嬉しい驚きを感じさせてくれます。

塩梅では、とんかつと並んでビフテキも看板メニュー。今度は、そちらもオーダーしてみたいもの。きっと、とんかつに負けず劣らずの驚きが感じられることでしょう。

kashiwa_anbai1.jpg

塩梅
千葉県柏市明原1-2-3 柏田中ビルB1F
04-7146-2244
11:00~22:00
月曜休

メニュー例:
特上ロースかつ定食…1,995円
特上ひれかつ定食…2,100円
ねぎ塩とんかつ定食…1,365円
海老かつ(単品/1個)…368円

平日も休日も、地元・柏でショッピング!

常磐線や東京メトロを利用して、首都圏の人気スポットにフットワークも軽くアクセスできる柏。レジャーに、ショッピングにスムーズに移動できる立地条件はとても嬉しいものです。

しかし、柏のまちにも魅力的なショッピングスポットはたくさんあります。
柏駅に接続している「柏高島屋ステーションモール」に、14階建ての「そごう柏店」、若者はもちろんキャリア層にもマッチするファッションが揃う「丸井柏店」、最新の家電品が手に入る「ビックカメラ柏店」。

いずれも東京で多大な支持を集めている百貨店や商業施設ばかりです。

kashiwa_column_shopping1.jpg

柏には、大きな施設だけでなく個性豊かな商店街も揃っています。
JR柏駅からまっすぐに延びているのは「ハウディモール」。まずはここから始まります。このエリアの目抜き通りだけあって、こぢんまりとしたショップに入り交じって「イトーヨーカドー柏店」などの大型店の姿も。チェーン店の安心と個人商店の珍しい品ぞろえを兼ね備えた、実力派の商店街、それがハウディモールと言えるでしょう。

このハウディモールから枝分かれするように展開するアーケード型の商店街は「柏二番街」。丸井柏店のエントランスも面しているだけあり、若者がつい足を向けてしまうような洒脱感に満ちています。
夜でもご覧のとおり、柏二番街の賑わいはますますヒートアップしていきます。

kashiwa_column_shopping5.jpg

kashiwa_column_shopping7.jpg 

「サンサン通り」は、市役所方面へ向かう人たちがよく歩いているストリート。若者向けというよりは、どちらかというと市役所に用事がある人たちにしっくりなじむ、落ち着いた感じの店が多く見られます。柏駅からあまり離れたくはないけれど、喧騒を逃れて買い物をしたいときはおすすめの商店街です。

kashiwa_column_reysol.jpg

一方、若者に人気があるのは「レッドライオンストリート」や「うさんぽロード」。
レッドライオンストリートは、音楽を愛する人なら誰もが知っている通好みのCDショップ「Disk Union」から南柏方面へ延びる通り。どことなく外国のショップの品ぞろえを感じるところがあり、人とは違うものを買いたいときにグッドです。

うさんぽロード近辺は、柏っ子が誇る古着ファッション、通称“裏カシ”の発祥地。裏カシは、今から約10年前に生まれた言葉。当時、東京・原宿で大人気だったショップが柏の裏通りに出店したことから“古着屋”を意味するワードとして使われるようになったのだとか。

kashiwa_column_shopping9.jpg

kashiwa_column_shopping8.jpg

百貨店も頻繁に訪れ、商店街も隅々までわかるようになったら、今度はちょっぴり遠出することをおすすめ。
東武野田線で1~2駅も行けば、郊外型の大きなショッピングモール「流山おおたかの森 S・C」があります。そこからつくばエクスプレスで1駅行けば、今度は「ららぽーと柏の葉」に到着。どちらも広々とした敷地を持ち、それに比例してたくさんのテナントを持っています。
10分そこらでアクセスでき、新しいショッピングの魅力にとりつかれるかも!?

kashiwa_lalaport3.jpg

kashiwa_column_shopping4.jpg 

先に柏に住む人たちは、その多くが地元でのショッピング事情を熟知し、自分らしい買い物を上手に楽しんでいます。kashiwa_column_shopping10.jpg

ビストロ ペイザンヌ

柏市の名店散策:ビストロ ペイザンヌ

意外にも、千葉県は全国でも優秀な農産地。人口38万人を抱えるこの柏市でも、近郊には立派な野菜の産地がここかしこに見られます。そうした柏近郊の新鮮な野菜をおいしいフランス料理に仕立てて食べさせてくれるのが、東葛通り商店街に店を構える「ビストロ ペイザンヌ」です。生まれも育ちも東葛地域のシェフは、このあたりの野菜の質を知り尽くした実力派。ヘルシーで安心できる野菜をたくさん食べられるせいか、ランチタイムはいつも近所の女性たちで埋まり、賑やかなおしゃべりがこだまします。

ビストロ ペイザンヌ

店内の内装は、異空間に迷い込んだような、なんだか不思議なムード。異空間というよりは、感覚としてなじみはあるけれど、それが何なのか思い出せないと言ったほうが正しいかもしれません。緑が基調となっている壁、天井には白い楕円形のオブジェ。それでもなんとなく落ち着くのは、たっぷりの明るい日差しが入るせいもあるのでしょうか。

ビストロ ペイザンヌ

ビストロ ペイザンヌにはいくつかのランチコースがありますが、その中で最も人気が高いのが2,100円のコース。前菜、スープ、メイン、パン、デザート、ドリンク。手ごろな価格です。せっかくなので、フルーティーなグラスワインを片手に、深呼吸でもするようにゆったりと料理の到着を待ちます。

ビストロ ペイザンヌ

まずは前菜。爽やかなガラスの器の上には、肉に魚、そしてたっぷりの野菜と、4種類の料理がミニポーションで並んでいます。繊細に盛りつけられた料理に、思わずうっとり。口に運んでからも、その“うっとり”は続きます。肉料理の「パテ・ド・カンパーニュ」は、“田舎風パテ”の名のとおり、シンプルな味わいがワインに合う一品。上に乗った自家製ピクルスの酸味が、全体をやさしく引き締めています。その左側の湯むきトマトとキュウリの盛り合わせは、次に食べる料理に対しての口直し的な意味合いもあるのでしょうか。

そのまた左側にあるのは「カツオのスモーク サラダ仕立て」。香りの良いチップで燻されたカツオ、みじん切りのタマネギに、意外や意外、の海ブドウ。和寄りの食材が多いのに、しっかりと洋風の味付けになっているところがグッド。これがボウル一杯出てきたといても、ペロリと食べられそうです。そして左端、「カリフラワーのムース コンソメゼリー添え」。ムースはあっさりとしたまろやか味わいで、これだけでもおいしいもの。コンソメゼリーが加わると、塩気がプラスされ、パンチの効いたテイストに変身。1杯で2度おいしい一品です。

ビストロ ペイザンヌ

それぞれに小技が効いた前菜の次に出てくるのは、スープ。この日は「根セロリの冷たいポタージュ」です。根セロリとは、セロリの白い部分のこと。青臭みがなく、それでいてセロリのさわやかさは残っている絶品スープです。舌触りもなめらかだし、これはセロリ嫌いの人に「何のスープかわかる?」と食べさせてみたくなってしまいます。たぶん多くの人が「おいしいけど……何のスープなの?」と言うに違いないでしょう。

そんな想像をしている間に、メーンが登場。いくつか選べるプリフィクス・スタイルのうち、魚料理にしてみました。「イトヨリとスズキのソテー キノコのクリームソース」。寄り添うように盛りつけられたイトヨリとスズキは、それぞれ1切れずつがほかの店でのメーンになるくらいの大きさで、思わず息が止まってしまいます。

ビストロ ペイザンヌ

このボリュームたっぷりのソテーを飾るのは、クリームタイプのキノコのソース。そして魚の背後には、噂の、柏近辺の産地で採れた野菜のソテーが待ちかまえています。あまりにも彩りが鮮やかなので、何種類あるのだろうと数えてみると……ナス、カリフラワー、ニンジン、大根、インゲン、ヤングコーン、オクラ、ゴボウ、カブ、ズッキーニ、アスパラガス。数え漏れているものもあるかもしれませんが、わかるだけでもこれだけが入っています。地場野菜なので、味が濃く、何より新鮮です。

ビストロ ペイザンヌ

特別な契約でもしているのかと思ったら、「その地の直売所で買ったり、特に××さんのものでなくてはダメ、ということはありません」とシェフ。特に契約せずともこれだけおいしいものが食べられるのは、まさしくシェフの腕の良さと、千葉の土が育む野菜の素晴らしさにほかなりません。イトヨリもスズキも肉厚で、皮はパリッと、中はジューシーに焼き上がっています。これに秋の恵みのキノコソースをつけ、野菜とともに食すると、一足早い収穫祭がやってきたような感覚を楽しめました。

メーン料理までのすべてに手が込んでいるビストロ ペイザンヌでは、もちろんデザートも手抜かりナシ。こちらも3種の盛り合わせとなっており、この日はイチゴのシャーベット、マンゴープリンの生クリーム添え、南国の果物が入ったフルーツカクテルと、女性客が大喜びするラインナップとなっています。よく見ると、デザートも「青果」として野菜と並び称される果物をたっぷり使ったものばかり。ラストまでヘルシー感たっぷりの、素敵なランチタイムでした。

ビストロ ペイザンヌ

食後のドリンクを飲みながら、改めて店内を眺めてみると、緑の壁と反対側の白壁に見える細長い模様が、いきなり“葉脈”のように見えてきました。緑の壁は茎か森で、天井の楕円形は葉っぱ……?
そうか、ビストロ ペイザンヌの店内は、植物をモチーフにしているのかもしれません。遅すぎる発見を確認するべく、シェフに尋ねてみると、「野菜をメーンにした店なので、森を彷彿させるような内装にしてみました。言うなれば、この森の中で、お客様は“虫”にでもなった気分で野菜をたくさん召し上がっていただけたら、と思いまして」。なるほど、うまい表現です。料理をする人ならわかりますが、虫は農薬に侵された野菜には見向きもしません。本来の味がする新鮮な野菜しか食べないのです。それだけ、提供している野菜の質に自信を持っているのでしょう。生鮮食品についても恐ろしいニュースが耐えない昨今、安心して食べられる野菜を上質な料理にしておいしく食べさせる店は希少かもしれません。

ビストロ ペイザンヌのディナーコースは3,675円から。ビストロの名が冠されているように、アルコールとアラカルトでも歓迎してくれるのが嬉しいところ。今度は夜にアラカルトをオーダーし、こちらも手ごろな価格のワインとの組み合わせを試してみると、野菜のまた違った味わいを発見できる気がします。

ビストロ ペイザンヌ

ビストロ ペイザンヌ
千葉県柏市旭町2-5-1 リッツヴィラ柏B
04-7144-3228
11:30~15:00(L.O.14:00)、18:00~22:00(L.O.21:00)
水曜休
ランチコースA…1,470円、B…2,100円、C…2,730円、D…3,675円
グラスワイン…525円~

次ページへ »