
とんかつ屋といえば、男性がどっかり腰を下ろし、どっさり量を食べるイメージがありました。しかし、柏駅西口から徒歩約7分のところにある「塩梅」は、男性客をしのぐ女性客で賑わっているとんかつ屋として有名です。
インテリアは和の民芸調。“和風ダイニング”などともてはやされる、変に新しい匂いのするようなものとはまったく違った、重厚な内装です。
それもそのはず、柱や梁は実際の古民家で使われていたものをオーナーが自ら吟味して選んだもの。テーブルなどは自分で納得の行く材木を磨き上げ、大工に設置程度のことだけをしてもらったというほどの凝りようです。
奥の壁に張られているのは、中国の文芸である漢詩の石碑から拓本を取り、やはりオーナーが彫り上げたもの。見渡すかぎり、“男のこだわり”に満ちた空間と言えるでしょう。


では、なぜ“男性の食べもの”というイメージのあるとんかつが多くの女性を惹きつけているのでしょう? それは、とんかつ自体のクオリティーの高さ、そして、驚くべき付け合わせの数々にあるのです。

まずは、とんかつに着目。豚肉のステーキにそのまま衣をつけて揚げたかのような、かなりのボリュームです。箸でつかむと重みが手にずっしりと伝わるところに、塩梅の心意気のようなものが感じ取れます。
切り口から見える肉の断面は、豚肉ではなかなかお目にかかれない薄桃色。新鮮な肉だからこそできる火の通し方であり、ここに塩梅の技と自信が伺えます。「本当によい肉なら、これくらいの色のほうが肉の甘みを存分に楽しめます。これ以上揚げてしまうと白っぽく、パサパサになってしまいます」とはオーナーの弁。たしかに一口食べると肉の甘みがジュワッとあふれだし、なんとも幸せな気分に。
ポン酢やとんかつソースをつけて食べてもよいですが、ヒマラヤ産の岩塩と焼き塩、スパイスを調合した特製塩をつけて食べると、肉自体の旨味を味わえます。希少価値の高いヒマラヤ産の塩は、ほんのり色の乗ったローズピンク。塩自体にも甘みがあり、豚肉の甘みと素晴らしいハーモニーを奏でます。

肉は、これまでの料理人生およそ30年の経験を生かし、全国の産地で厳選されたものからさらによいものをチョイス。本日は最近とみに評判を聞くことの多い、岩手の無菌豚の肉だそうです。
噛んでも繊維質が残らないほど丁寧に筋切りされたとんかつはとても食べやすく、これなら女性の小さな口でも難なく噛み切れるので安心です。ほか、海の幸のフライも大人気。1個単位で注文できるので、とんかつだけでは物足りない豪傑や、少しだけ味を試してみたい人にはもってこいです。

そして、もうひとつの人気の理由は、充実した付け合わせ。大きなとんかつに添えられたキャベツは、口の中でモサモサしないように細く細く切られたものが山盛りになっています。そのキャベツには、同じく千切りにされた青じそが見え隠れ。見た目にも美しく味のアクセントにもなっている青じそ入りキャベツは、ほかの店なら「食べにくい」と残してしまう人でもペロリとたいらげてしまいます。
キャベツにかけるドレッシングが、これまたバラエティー豊か。梅じそマヨネーズ、おろし野菜、ごま味噌、トマトバルサミコ、そして備え付けの和風。一口ずつ味を変えながら食べられるのも、女性に支持される所以でしょう。
漬け物は3種、壺に入って出てきます。キムチに切り干し大根、野菜の中華風。量もたっぷりで、おまけにすべて自家製。とんかつだけでも下ごしらえに時間がかかるはずなのに、漬け物まで手作りとは……。
ごはんはふっくら、ツヤツヤのコシヒカリ。白いごはんか青じそごはん、好きなほうを選べます。ちなみに青じそごはんには、1杯につき青じその葉が約30枚分も入っているのだとか。そして、宮内庁御用達の味噌で作られた赤だしの汁物。この日は豆腐にミツバ、ナメコが入っていました。

なんと、塩梅ではこれらがすべて食べ放題なのです。あれこれといろいろなテイストを味わえて、それを好きなだけ食べられる-。これは、女性が見逃すはずがありません。そして食後には、バニラアイスクリーム・抹茶アイスクリーム・シャーベットがついてきます。
ディナーでは小鉢に揚げ出し豆腐が付いていますが、ランチではこれがモヤシの鉄板炒めに。もろみ醤油味がたまらないこの一品も、やはり食べ放題です。
ランチといえば、子ども連れにはとても嬉しい心づかいのサービスが。なんと、子どもには小さなごはんとアイスクリームが無料でついてきます。あの大きなとんかつと食べ放題の付け合わせを、親子でシェアできるのです。
最近では「子ども連れの入店お断り」という店もありますが、これをはねとばすようなサービスに、もちろんお母さんたちは大感激。いつも女性客で賑わうのには、こうした寛大な受け入れと細かなサービスが光っているからでしょう。
ほかにも、残った揚げ物を折詰にして持ち帰らせてくれるサービスや、駐車券など有料駐車場に停めての来店であることがわかるものを持ってくると1ポイントがもらえ、10ポイントたまると2,000円分の食事券と交換してくれるなど、至れり尽くせりのサービスが満載。
1時間待ちになってでも2時間待ちになってでも食べたい、と列を成す客は、おいしいとんかつもさることながら、オーナーの心遣いと心意気に心酔してやってくるのかもしれません。
素晴らしいサービスに満足しきって箸を置き、席を立とうと思った瞬間「あたたかいおしぼりと青じそ茶です」と、ラストのサービスが。焼肉屋ならまだしも、とんかつ屋でこのようなサービスに出合ったのは初めて。最後の最後まで嬉しい驚きを感じさせてくれます。
塩梅では、とんかつと並んでビフテキも看板メニュー。今度は、そちらもオーダーしてみたいもの。きっと、とんかつに負けず劣らずの驚きが感じられることでしょう。

塩梅
千葉県柏市明原1-2-3 柏田中ビルB1F
04-7146-2244
11:00~22:00
月曜休
メニュー例:
特上ロースかつ定食…1,995円
特上ひれかつ定食…2,100円
ねぎ塩とんかつ定食…1,365円
海老かつ(単品/1個)…368円