肉丸精肉店

肉丸精肉店
柏駅西口から延びる商店街の中に「肉丸精肉店」という店があります。名前からすると肉屋のように思えますが、ビルの3階に肉屋があるとはとうてい考えられません。
窓から掛けられている看板を見ると、どうやら焼肉店のよう。“精肉店”という名の焼肉屋。店の名前からイメージすると、新鮮な肉が出てくるに違いありません。

肉丸精肉店

そう意気込んで、ユニークなネーミングの肉丸精肉店へ。のれんをくぐると、そこに展開されているのは、およそ焼肉屋らしからぬ、スタイリッシュな空間。オフホワイトとブラックを基調とした、まるでカフェのようなスペースです。
“精肉店”という名の、おしゃれな焼肉屋。ミスマッチの連続は、これから何か思いも寄らないものに出合えそうなインスピレーションを与えてくれます。

どのメニューがよいか考えあぐねるも、まずは原点を押さえておかなければならないでしょう。そう、「なぜ“精肉店”というんですか?」ということです。
さっそく店長に訊いてみると「以前に精肉店を営んでいたので、その名残りで残したんです」とのこと。なるほど、精肉店を経営していたということは、肉に関してはプロの目利きであり、かつ、そのころに付き合いのあった業者とも太いパイプがあるということか。
「その通りです。ほかの店で“幻の”という触れ込みで出しているものを、うちでは通常メニューとしてお出ししています」
“精肉店”からの連想どおり、上質の肉を食べさせてくれることは間違いなさそうです。それに、もしこの肉丸精肉店に特別メニューや限定メニューのたぐいがあったとしたら、ほかの店より上のそのまた上を行く、極めて希少価値の高い逸品ということになります。
ドキドキしながらページをめくると―ありました。1日10皿限定の「極上カルビ」。これは食べてみなければならないでしょう。
何分か前にメニュー選びで迷っていたのが嘘のように、すんなりとオーダー、決定。新鮮さが命のレバ刺に、人気ナンバーワンのnikumaruロース、そしてほかの店ではちょっとやそっとのことでは食べられないであろう極上カルビです。
肉丸精肉店肉丸精肉店

モダンな内装とは裏腹に、焼酎の銘柄が充実している肉丸精肉店。芋焼酎の「佐藤 黒麹仕込み」をロックで飲みながら待っていると、鮮やかな赤みが食欲をそそるレバーが運ばれてきます。
さすが良いルートを持っているだけあり、生レバーならではの甘みがしっかりと感じられます。トロッとした舌触りは見事の一言。新鮮なので、臭みも何もありません。
ごま油の塩だれがついてきますが、何もつけなくてもそのままで十分においしく味わえます。

肉丸精肉店

次に現れたのは、最も人気の高いnikumaruロース。良いロース肉は生でも食べられるといいますが、果たしてこのnikumaruロースにも「生でもいけます」との註釈がありました。
こんなに上質のロースに、焼き過ぎは御法度。サッとあぶる程度に、決して火が通りすぎないように細心の注意を払いながら、薄いピンクを残した芸術品のような肉を一口。
これぞ牛肉の旨味、という素晴らしいおいしさがみるみる広がり、思わず笑顔になってしまいます。豚肉も鶏肉も好きですが、「やはり牛肉のおいしさには王者の風格のようなものがある」と思えてならない、そんなロース肉です。

肉丸精肉店

肉丸精肉店では、焼肉用の付けだれとして3種類が出てきます。レモンの酸味が生きている、さっぱりとしたレモンだれ。キリリとした味わいが魅力のたまり醤油。野菜の甘みが溶け合った特製だれ。
肉によって、そして気分によって好みで食べるといろいろなテイストが楽しめて、トクをした気分になってくるのが嬉しいところ。
また、徹底した無煙ロースターにより、煙がまったくと言ってよいほど出ないのも助かります。ダクト(煙を吸い込む装置)が網の近くにあるので、広がる前にサッと吸ってくれるのです。
このあたりは、内装のおしゃれ度にマッチしているといったところでしょうか。

肉丸精肉店

いよいよ真打ち、極上カルビの登場。テーブルに運ばれてきたときのつややかさで、この肉がどれほど良いものかがわかる気がします。上質の肉は脂の融点が低いので、室温くらいの温度でも脂肪がうっすらと溶けだしてくるのです。
これも焼きすぎないように気を付けて、まずは何もつけずにパクリ。―よくある表現で申し訳ないですが、口の中で溶けてなくなります。肉質と脂質のバランスが絶妙なのです。いつも食べているカルビの“いいとこ取り”をしたような、旨味を凝縮した残り香だけがあるような、そんな感じとでも言ったらよいのか。店に入る前に感じた、予想をはるかに超えるインスピレーションがここにつながっていたような、劇的なカルビです。
この極上カルビにはワサビがついていて、ローストビーフのようにして食べることができます。ワサビの味を消さないような焼き加減にして、緑色の薬味をくるんで食べると、さっきは甘さが立っていたカルビ肉に、今度は深みが出てきました。このワサビもおろす面などがきちんと考えられているのでしょう、わずかながら甘みがあります。またしても予想外の嬉しい味に、すっかり満足してしまいました。

ステーキのような厚みを持つ極上のカルビを2,500円で食べさせてくれるのは、まさにリーズナブルの極地。オープンして2年半弱だそうですが、肉丸精肉店にすでに多くの固定客がついていることは大きくうなずけます。
時には有名格闘家や力士が来店することも。おいしいものを知り尽くしている彼らが通うのであれば、これはもう、本物中の本物でしょう。

肉丸精肉店

しゃれた空間で、財布を気にせず、お腹いっぱい食べられる肉丸精肉店。気の置けない人が「おいしい肉を食べたいな」とつぶやいたら、予約を入れてすぐに連れて行くと感謝されること間違いなしの、手帳のレストラン常備リストに加えておきたい1軒です。

肉丸精肉店
千葉県柏市旭町1-10-2 深澤ビル3F
17:00~2:00 (L.O.1:00) *日曜・祝日は~1:00 (L.O.0:00)
無休
極上カルビ(1日10皿限定)…2,500円
nikumaruロース…1,580円
レバ刺…780円
佐藤 黒麹仕込み(グラス)…700円
http://www.nikumaru.net/

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